福祉施設は高齢者や障害者などの多様な背景をもった人たちが利用する施設にほかなりません。

そのため建築に際しては、誰でもその身体的な特性などを問わずに快適な利用ができることを重視すべきといえます。そこで登場するのがユニバーサルデザインの考え方で、最近では単に建築における利用の際の障壁を除去するバリアフリーの概念の上を行くものとして、特に駅や空港、市役所、文化会館などの公共的な施設を中心に、幅広く採り入れられるようになってきています。

民間の福祉施設においても、ユニバーサルデザインによる設計と建築を行うことは求められるところであり、実際に全国的にはさまざまな事例が見られます。たとえば福祉施設のトイレなども、車椅子のユーザーまでを想定して引き戸形式の扉を設けたり、入口の幅や内部の面積にも車椅子での進入や転回が可能な十分な余裕をもたせることが挙げられます。

ほかにも車椅子を利用している身体障害者や高齢者だけではなく、オストメイトの利用者、小さな子供連れの利用者にも配慮して、ベビーチェアやベッド、オストメイト用の汚物流しなどを設置するケースも見られるところです。トイレの場所を案内するための壁面などの表示もアイコンを使って見やすいものに統一したり、点字表示を併記したり、廊下の動線に矢印を表示したり、色で誘導したりといったことも、ユニバーサルデザインを福祉施設の建築に採り入れる際の方法のひとつということができます。

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